被災地のど真ん中に僕のいとこたち家族がいます。
震災TV報道を見ていて、どうにも歯がゆく感じてしまいます。
このブログにこの文章を載せたところでどうにもならないことは承知していますが、よろしければ読んでください。
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報道関係者の皆様へ
連日たくさんの報道をありがとうございます。
私は愛知県の人間なのですが、被災地の岩手県大槌町に親戚がいる者です。
ネット、伝言ダイヤルなどを駆使して今日(3/16)までに何とか得られた情報によると、とりあえず皆(14人)全員無事であるらしい、というところまできています。
けれど、大槌町吉里吉里の幸いにも津波の被害を受けなかった親戚の家に身を寄せているらしいひとり(女)しか生きている確証が得られていません。
こども二人も一緒にいるらしいのですが、こちらで確認できるネット上の安否情報によれば生きているらしい彼女の夫とは未だ連絡がとれていないようです。
今日その彼女から本当に短い、けれど本当に切羽詰った声で電話がありました。
『食料・・食べ物を送って!・・・お願い、お願い、お願いします!』と。
他の事は話すことはなく、ただそれだけ手短に話し電話は切れました。
どういう状況でどこからかけてきたのかは全くわかりません。
こちらで推察するに、
彼女らは避難所にいる訳ではないらしいので、配られる食料が回ってこないのか?
それとも大槌町は未だ孤立しているのか?
電話をかけてきたわけだから、それはないのかな?
いろいろ考えるのですが、もちろん答えは出ません。
津波の威力を見せる映像から最近は避難所の現状を伝える映像にスライドはしていますが、報道関係者の皆様にぜひお願いしたいことがあります。
被災者の方たちに、
「今何が必要ですか?」
「何か足らないものはないですか?」
「寒くはないですか?」
などというインタビューはいりません。
瓦礫の山の街にでて、
「見てくださいっ!舟が屋根の上に乗っていますっ!!」
などという実況も一切いりません。
避難所などに1ヶ所でも多く行かれて、そこにいる方たちのお名前、その人たちからの伝言などをもっともっと流し続けてください。
ネット上の避難者情報サイトのような役割をTVである付加価値をつけて報道してください。ぜひお願いします。
まず、安否。
安否情報を欲しがっている人たちが被災地ではもちろんでしょうが、それ以外の人たちも切実に知りたがっています。本当にたくさんいます。
ほんの一部で構いません。各社分担してやっていただければかなりカバーできるような気もします。ぜひお願いします。
「避難所では物資が圧倒的に足りませんっ!・・」
とレポーターの方が言われて画面が終わっても、今の段階の私たちには行く術も、送る術も、助ける術も、何もありません。
ただ空しく感じてしまう方も多いのではないでしょうか?
仕事で行かれているとはいえ、ご苦労は並大抵でないことも承知しています。
けれど、です。
行かれる(行ける)のであれば、ほんの一部の方たちだけ、いや一人の方だけでもけっこうです。物資や安心感をひとつでも届けてあげてください。
切羽詰った彼女の声が忘れられません。
何もしてあげられない自分たちの無力さを痛感しています。
いろいろなご意見、見方もおありでしょうが、かなりの数に上るであろう被災地に関わりのある人間たちの”生の声”のひとつとして収めてください。
よろしくお願いします。
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読んでいただきありがとうございました。
身内の切羽詰った声に少なからず動転してしまっている自分もいますが、とりあえず書き留めておこうと思います。
勝間和代さんが同じ感覚で発信されています。⇒
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