唐突ですが、一冊の本を紹介します。
本屋でブラブラしててタイトルに惹かれて手に取った本です。
元々雑学本は好きな方ですが、この本は特化して面白かったです。
何気なしに普段使っていることばたちの意味・由来・正しい使い方を、
NHKとしての見解を含めながら解説している内容なんですが、
それぞれのことばの、いかにも興味をそそるサブタイトルの付け方、文章の
平易さ、小気味良いテンポ、かつポイントをついた明快さ、などが相まって一気に読めます。
「へぇー」、「なるほどねー」の連続。
改めて日本語の面白さ、奥深さを堪能しました。
その中で、建築業界につながることばがあり、思わず、これだよっ!
ってひざを叩いたことをご紹介^^
【値段を安くするとなぜ「勉強」?】という一文からの抜粋です。
そもそも古代中国での「勉強」の意味は、その漢字の通り”強いて勉める””無理強いをする””広く努力する”の意味で使われていました。
そこから”お客のために少し無理をして利益を薄くして売る”という意味合いで使われていると言うことです。
その値段を安くすることをおまけする、といいますよね。これは漢字で「御負」。
この”負”は、お客の意見を取り入れてお客との取引に”負ける”からきているようです。
その「負け」とは何か?
設計が完了し、工務店さんの見積り金額が双方合意に至ればそこで”請負”契約を締結します。
そして工事が始まりその途中段階で、図面に記載が無かったり、または図面通り出来上がったことでもお客さんの気が変わったり、イメージが違ったり、と言う感じで追加工事や手直し工事が発生する場面がよくあります。
そんな時全てではありませんが、設計監理側の判断として工務店さん側にその追加or手直し工事費用をお願いする場合があります。
その時工務店さん側からたまに出る言葉なんですが、
「しょうがないですねー、私らは請負(請け負け)なので・・・」
とちょっと皮肉を込めて返されることがあります。
そんな時感じる違和感はいったいなんだろう?といつも思っていました。
あなたたちは負け組なのか・・・?
そーなんです、考え方が違うんです、しょうがない、ではないんです。
「勉強」「御負(おまけ)」と同じ勝ち負けではなく、お客さんのために少しだけ無理をして、
お客さんに一歩譲る感覚の「負」なんです!
あー、すっきりした。これからはそう切り返そうと思います。
そう思うことが潤滑油になり、双方物理的にも心理的にもプラスになると思いませんか?
そもそもお客様は神様^^ですし。
追記;アンタはイイよね、自分のフトコロ痛まないから・・なんて言われそうですが、もちろんすべて工務店さんに一方的に押し付ける訳ではなく、お客さん了解のもと、質を落とさず他の部分を変更したり、完成した工事部分が計らずも見積金額より安くできた項目をCHECKして、その金額を相殺する、といった調整も監理業務の重要な仕事です。