不気味な沈黙。不思議な静寂。
・・・大槌の街の印象でした。
360°見渡すことが出来てしまう荒野のような風景。
たまに動きがあるのが、はるか遠くで作業している数台の重機とダンプぐらい。
街にあるはずの喧噪や音たちがない・・・
正確には街であったはず、のところ。
「随分片付いたんだよー」と、従姉妹。
確かに、道路は通れる、瓦礫は山ほどあるけれど、ある程度場所を決めて集積されている。住宅(であったはず)の廻りに壊れた部材ひとつない、本当に何もない。基礎しかない。
けれど、です。
片付いたか、片付いていないか、という感覚の話ではありません。
何なんだ!?これは!?
高さ10数メートルもの水のかたまりが、とにかく何もかも、何でもかんでも巻き込んで、ぐちゃぐちゃにシャッフルしながら押し寄せ、もう1回その逆をやりながら引き去った・・・だろう、跡・・・をとりあえず車が通れるようにしただけ・・・の状態。
大槌の街は、津波と同時に大規模な火災が発生し、火がついたままの家、車、樹木などが波とともに山裾の高台に押し寄せ、津波の被害を免れた地域までも,その類焼で2次被害を受けています。
葬儀を行ったお寺さんの庫裏(くり=住職の住宅)も本堂も、その火災で全焼だったそうです。
その庫裏跡から海方向を見る。
真新しい電柱と電線が異様です。
津波で全壊した従兄弟の家へ⇒vol.4で。