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2009年7月6日(月) 22:14

カリスマ

浜松市(都心政策グループ都心未来創造会議)の主催で開催された、安藤忠雄氏の講演会に行って来ました。

本を買ったら

ご本人がサインしてくれました



「創造都市への挑戦」をテーマにした講演は2時間近くに及ぶ、語り口調、内容共に非常にパワフルで、元気のもらえる素晴らしい講演会でした。
けれど反面、今さらながら安藤氏の建築に対する姿勢、気構え、そして現実のその行動力の凄さに、改めて気付かされ、打ちのめされて谷底に突き落とされる感覚をもいただきました

目先の仕事にアップアップしているだけの自分は、ホント小市民だなぁ・・

安藤氏の追っかけ(というほどではないのですが、かなり高いアンテナははってきたつもりです)をはじめて20数年になりますが、本当に凄い!と思うところは、ストイックな建築そのものはもちろんのことですが、その間メディアに対する言動、内容が一貫してまったくブレていないことです。

雑誌、TV、講演会、著作本、そして現実の建物、それらが恐ろしいぐらいに1本のスジが通っていて、何の矛盾も破綻もないんです
このほどの実績を重ねてくると、言ってること、やってることに多少のブレがでできてもよさそうなものなんですが、それがない。

それに加え、今回の講演会で感じたのですが、もう建築家の枠を超え、地球環境の観点をはじめ、さまざまな分野での日本の、いや地球の「指導者(カリスマ)」としての雰囲気さえ持ち始めているような気がしました。それも大阪のおっちゃんの気さくさを持ち合わせたまま。

その手の届きそうにない実績と、どこにでもいそうな身近さ。その2つを絶妙なバランスで操りながら活動される安藤氏。

これからも追っかけです。

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2009年5月18日(月) 23:11

ロビー活動

先日上野で見かけたあの、のぼり。

コルビュジェの国立西洋美術館世界遺産登録を審査しているイコモス(国際記念物遺跡会議)が、ユネスコ世界遺産委員会に対し、延期勧告をしたそうです。

この延期勧告で、世界遺産入りは事実上厳しい状況となるんだそうです。
最終的には6月22日からスペインで開かれる世界遺産委員会にて決定、ということになります。

ただ今回世界遺産入りを目指しているのは、フランス、ドイツ、ベルギー、スイス、アルゼンチンにある22の建物が一括して「ル・コルビュジェの建築と都市計画」という事で、6ヵ国の共同推薦なんですね。

日本の世界遺産においては、一昨年の石見銀山、昨年の平泉続き、3年連続の延期勧告になったんですが、石見銀山については、延期勧告を受けてから最終決定の委員会の間に行った、日本政府による「精力的」な「ロビー活動」のおかげで、世界遺産入りを果たしたそうです。

「ロビー活動」とは、”ホテルのロビーなどで、秘密裡に行われる政治家などへの働きかけ、及び圧力(!)行動”ということで、簡単に言えば、あの手この手を使い、自分たちの主張を実現させるために動く営業マンですね。(ロビィストって言うそうですが)

「コルビュジェの建築と都市計画」はまさに今、そのロビー活動の真っ最中、ということなんです。
6ヵ国足並み揃えて、ユネスコに対し、強力な圧力行動をしていただき、晴れて世界遺産登録されるよう、一建築人として願ってやみません

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2009年4月30日(木) 23:44

人たらし

大相撲のけいこ総見で、横綱朝青龍が心臓手術で療養後復帰された横綱審議委員の内舘牧子氏のもとに来て、握手をして、全快のお祝いと体調の気遣いの言葉をかけた!とワイドショーでやっていました。

まさに!マークイメージで。

横綱の品性、品格を争点に2人は天敵の関係ですから、それもそのはず、です。

予想外!?の素晴らしい品性、品格を伴った行動に出た朝青龍に対し、内舘氏がインタビューで言った「彼は人たらしだから。」という言葉に引っかかりました。

太閤秀吉が”人たらし”の天才であった、というのは良く聞く話ですが、内舘氏があの場で使ったニュアンスが、何となく自分の思っていたイメージと違ったので、改めて辞書を調べてみました。

人たらし<人をだますこと。またはその人>

だそうです!

えーっ!そうなんだぁー!でした。

”女たらし”、は確かにワルモン(悪い人)のイメージだけれど、”人たらし”は、周囲の人たちに、この人のためなら、と思わせる人心掌握の術に長けた人、という完全にイイモン(良い人)のイメージでした。

秀吉が具体的にどんな行動をもってして、そう呼ばれたのかは勉強不足で知らないのですが、
たとえば女たらしが、
女性のことが好きで、たくさんの女性と付き合う(遊ぶ)男性、のことをいうとしたら、
人たらしは、
人のことが好きで、たくさんの人と付き合う(遊ぶ)人、ということになりますよね。

とても前向きなイメージで、自分が目指している人格です。

内舘氏があの場で使った”人たらし”の意味は、

「ホントにウマイんだから、もうっ!」っていう照れ隠し。
「そんなことくらいじゃ、私はダマされないわよっ!」っていう牽制。

言葉の持つ良いイメージと、辞書の悪いイメージふたつをきちんと織り交ぜて発した言葉だったんですね

ーーーーーーーーじゃないかと、まったく勝手な推測です。

でも本当にそうだとしたら、さすが作家さんですよね。

朝青龍の品格、品性溢れる行動(ポーズ!?)、それに対するユーモア(皮肉!?)たっぷりの切返し。

2人とも大人やなぁー、と感じてしまった僕でした。

(ゴカイノナイヨウニイッテオキマスガ、オンナタラシ、トイウヒトハ、コジンテキニハケッシテワルイイメージデハナク、ドチラカトイウト、ウラヤマシイ!デス。

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2009年3月25日(水) 23:11

街頭テレビ

所用で名古屋へ行った帰り、駅前の家電量販店に立ち寄った時、
黒山のひとだかり!    ???何?なに?

WBC決勝戦生中継でした

後ろの方の人(僕も含めて)画面の文字が小さくて、声も小さくて今何回なのかわからない、そこで隣の人に聞く、その人もわからなくて前の人に聞く、結局その人もわからないって言ったら、その前の人が8回裏ですよって教えてくれたんです。
それをきっかけに、岩隈がんばったのにねぇ、次は流れから言ったら杉内かなぁ、そういえば藤川は?なんて会話が始まったりするんですね。

最近の普段の街中ではありえない雰囲気、光景。

思い出したのが昭和の懐かしい映像で登場する力道山街頭TV。

見ている人たちが一体となっての観戦。
ヒーローを見つめるキラキラした眼。
老若男女を問わない集団。

昔は良かったなんていう気はないけれど、街頭TVを知ってるわけではないけれど、そんな雰囲気を楽しませてくれたWBCのメンバーたちに感謝です。

祝!WBC2連覇!

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2009年3月11日(水) 21:50

手間

最近目にした本、雑誌などからの抜粋・・・

東愛知新聞TV欄番組紹介記事より、「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場した日本料理の達人、西健一郎さんの言葉。

・・・西さん自身が「味を迎えに行く」と表現する料理作りの基本は、
「手間をかける」こと。
「今日、ここに座った人が何を求めているのかがわからなければ、プロではない。
常に「もう一手間」を考え続ける。


建築雑誌 新建築住宅特集より、建築家堀部安嗣氏の言葉。

・・・Fさんは身体と精神が一致して統合された中身の詰まった人だ。・・・
そして私といえば、Fさんを見習って、とにかく足で稼ごうと思う。
精神を伴った身体、身体を伴った精神、そしてそれを駆使した移動距離の長さ、
そしてその先に見えてくる実体的なものつくりの可能性と喜びを求めていきたい。


幻冬舎刊 石川拓治著 奇跡のリンゴより、木村秋則さんの言葉。

・・・・私に出来ることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。
失敗に失敗を積み重ねて、ようやくそのことがわかった。
それがわかるまで、ほんとうに長い時間がかかったな。


3人の方それぞれ「手間をかける」大切さを話されています。

僕にとっては、やってきたこと、やっていること、考えていること、感じてることが少なくとも間違ってはいないんだ、と思わせてもらえた言葉の数々でした。


建築の世界にいると「手間」という言葉と出会い機会が少なくありません。
けれどどちらかというとあまりイイ意味でなく使われていることが多いんです。

「手間をかける」⇒めんどくさい⇒余分な金がかかる⇒叱られる⇒”悪”
という図式。

でも僕は事務所でも現場でも、手間をかけることはイイ事だ!といい続けています。

「手間をかける」⇒じっくりやる⇒心がこもる⇒よりいいものが出来る⇒喜ばれる⇒”善”

という図式の方が世の中のためになるって思いませんか?

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