お盆の終わり頃、古都金沢に行ってきました。
何故 金沢?
僕が勝手に師匠と仰ぐ建築家<”勝手師匠”と呼ばせていただいています^^>のひとり、中村好文氏の展覧会が8月末まで金沢21世紀美術館で開催されている、というのが大きな動機付けでした。
金沢21世紀美術館は機会あれば行きたい、と思っていたので、これこそ一石二鳥、一挙両得、棚からぼたもち(ちょっと違うか!?)、ということで、新幹線米原経由、北陸本線特急しらさぎでいざ、金沢へ!
出迎えてくれたのは、アルミトラスの『もてなしドーム』と、『鼓門』。
鼓の調べ緒をモチーフにした
赤門をシンボルにしたこのプロジェクト、
工期7年!総工費172億!金沢の顔として十分風格があります。
加賀藩前田家は江戸時代約290年間を通して徳川幕府に謀反の意がないことを示すために、ことさら武の印象を抑え、学問や美術、工芸、芸能を奨励し、その発展に尽くしたそうです。
そしてその後それに加え、戦災を受けなかったこともあり、当時のまちなみ、芸能、工芸、食などの文化も現在に至るまで綿々と受け継がれています。
そうした伝統を踏まえた落ち着きと風情を兼ね備えた素敵な街でした。
そしてそこに新しい文化的なものを取り入れる度量、感性などのバランス感覚にも感動です。今もなお、伝統を作り続けています。
その新しいものの代表格、
金沢21世紀美術館。
金沢のあの場所の歴史、地勢的な潜在力を見事に読み取り、そしてカタチにした設計者の力量に感服です。
美術館建築の固定観念である重厚感を消し去った、あくまで軽く、シンプルにOPENな、という明快なコンセプトは、そこに集う人たちの数や表情を見ると、充分すぎるほど受け入れられているように感じました。
もうひとつ、静寂、気品、風格、荘厳etc..その文字そのままの佇まいを見せる
鈴木大拙記念館へ。
この建物の設計者谷口吉生氏も僕の”勝手師匠”のひとり。
いつものことながらその緊張感に打ちのめされます。
仏教哲学者鈴木大拙にちなみ、来館者自ら思索できる「思索空間棟」の周りを取り囲む「水鏡の庭」
ここにたどり着いた瞬間、息を呑み、背筋が伸び、そして心が洗われる感覚に陥ります。
美しい建築にはひとの心を動かす力があります。
その他金沢うんちく...いろいろ凄いです。
伝統という土壌があってこそ発信できる文化なんでしょうね。
*世界で最も美しい駅14駅のひとつ。
*世界で最も素晴らしい駅ベスト10。
*都市照明の国際コンペ「シティ・ピープル・ライト・アワード」第3位。