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2011年7月20日(水) 17:11

被災地vol.3

不気味な沈黙。不思議な静寂。

・・・大槌の街の印象でした。

360°見渡すことが出来てしまう荒野のような風景。
たまに動きがあるのが、はるか遠くで作業している数台の重機とダンプぐらい。

街にあるはずの喧噪や音たちがない・・・


 

 

 

 

正確には街であったはず、のところ。

「随分片付いたんだよー」と、従姉妹。

確かに、道路は通れる、瓦礫は山ほどあるけれど、ある程度場所を決めて集積されている。住宅(であったはず)の廻りに壊れた部材ひとつない、本当に何もない。基礎しかない。

けれど、です。

片付いたか、片付いていないか、という感覚の話ではありません。


何なんだ!?これは!?


高さ10数メートルもの水のかたまりが、とにかく何もかも、何でもかんでも巻き込んで、ぐちゃぐちゃにシャッフルしながら押し寄せ、もう1回その逆をやりながら引き去った・・・だろう、跡・・・をとりあえず車が通れるようにしただけ・・・の状態。

 

  

 

大槌の街は、津波と同時に大規模な火災が発生し、火がついたままの家、車、樹木などが波とともに山裾の高台に押し寄せ、津波の被害を免れた地域までも,その類焼で2次被害を受けています。

葬儀を行ったお寺さんの庫裏(くり=住職の住宅)も本堂も、その火災で全焼だったそうです。

 
その庫裏跡から海方向を見る。
真新しい電柱と電線が異様です。

津波で全壊した従兄弟の家へ⇒vol.4で。

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2011年7月11日(月) 23:01

被災地Vol.2

被災地Vol.1からの続きです。

大槌町へは、東北新幹線新花巻駅から車で向かいました。
国道283号線、通称釜石街道を西進、途中”遠野物語”で有名な遠野市を経由して、約2時間半で釜石に着きます。

道路沿いに現れる内陸部の街々には、普通の生活風景があり、東北の山あいの、のどかで落ち着いた初夏の陽ざしと緑に溢れていました。

何も変わってないんだー・・・、よかったー・・・。

そんな錯覚は釜石市内に入っても、しばらく続いていました。

しかし中心街に入ってくると・・・、

右手少し高台にある、新日鉄釜石の敷地内に、下から見上げてもわかるほどの瓦礫の山。 

左折してJRの線路下をくぐる道路上にある道路標識がめくりあがっている! 

JRの駅と新日鉄は少しばかり高台にあり、難を逃れましたが、そこから先の中心街は壊滅状態です。

風景が一変します。いきなり、です。

     

街並みはある、建物もかろうじては残っている、けれど、人がいない。

ゴーストタウン。

建物は1階から3階あたりまで、爆破されスケルトンになってしまったかのような状態です。
もうぐちゃぐちゃ。


釜石の街から北へ、三陸海岸沿いに10数Km走ると大槌町ですが、その道すがら、結局言葉を発することができませんでした。

出てくるのは驚愕の吐息とタメ息ばかり・・・。

大槌町に入ります。⇒Vol.3で。

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2011年7月5日(火) 23:27

被災地vol.1

このブログでも幾度となく書いてきた、東日本大震災の被災地、岩手県大槌町に行ってきました。
太平洋に面する三陸海岸、釜石市の少し北に位置する、人口15,000人の、漁業と観光が基幹産業の小さな町です。

町全体で1,600人もの方が死亡又は行方不明、4,000人の方が避難所生活、という惨状です。

そこの町役場に従兄弟は勤務していました。

役場では町長はじめ職員136人中30数名の方が死亡又は行方不明・・・

従兄弟はその時役場にはいませんでした。
別の場所で仕事をしている奥さんからの電話で、海沿いに建つ自宅へ、学校から戻った娘を避難させるために戻ったそうです。

車で自宅に戻った彼は、裏の高台にある知合いの家に娘を託し、自分は何故か徒歩で海沿いの道を役場に向かい戻って行ったようです。その途中、大津波に遭遇・・

そのまま娘と避難してれば助かったのに、どうして?・・

推測ですが、本人は、
<あの揺れだから津波は来るだろう。
<戻ってくる途中、多くの人たちが道路や家の周りでたむろしていた。
<役場の人間として、避難の声掛けをしながら戻ろう。
<車は別の避難者たちで渋滞するだろうから。
・・・で、海から50Mと離れていない全く平坦な道を歩いている途中・・・だったようです。
まさかあんな大きな津波が来るとは思わず、に。

津波に関しては、僕らの比ではない危機感、緊張感を持っていた地元の方でさえ今回の規模は全くの想定外だったようです。

その従兄弟はそうした経緯で行方不明。

もうひとりの従姉妹は、地震直後高台にある自宅に戻る途中、海に向かう幹線道路を車で走っていて、あと交差点2つ目を曲がれば家、と言うところで、前(海側)から家と瓦礫を巻き込んだ10m近い真っ黒な壁がこちらに向かってくるのが見えたため、急遽普段使わない獣道のような狭い道路にはいりこんで自宅に戻り、間一髪無事でした。

紙一重の運命。

自然の脅威には人間は太刀打ちできません。

その行方不明のままの従兄弟、家族が区切りをつける、という決断をしました。
同じように被災された、お寺さんの仮設プレファブ本堂で葬儀がありました。

姿の見えないままの葬儀、家族にとっては苦渋の決断です。

そんな気持ちに応えるような、丁寧な、心のこもった法要をしていただきました。

街全体、心理的にも物理的にも喪中と言っても過言ではない状況を目の当りにして、
まさに五感で感じなければわからないことがたくさんありました。

その一端、ほんの少しでもこの場で伝えたいと思っています。

親戚というだけで、よそ者の僕が伝えられることなどたかが知れているかもしれません。
それでも、です。


被災地で感じたこと、大きな2つ。

*.人たちは程度の差こそあれ、個人レベルでは前向きになられている感じを受けました。
生きていかなきゃならないから。
個人々々は強いです。

*.深刻なのは、津波で破壊された街。個人レベルではいかんともし難い惨状です。
今こそ政治の出番だと本当に強く感じました。今こそ強力なリーダーシップを発揮して欲しい!
今の政治は弱過ぎます



思い切り大衆的な一般的な意見ですが、
やはり政治家の方たちはまず現地の状況をしっかり見て、地元の人たちと同じ立場に立って充分に話す、これに尽きるんじゃないでしょうか?

こんな簡単なことができない日本の政治家には、"怒り"よりも言葉は変ですが、"恐怖"すら感じます。


国会議事堂内では見えないことがたくさんあります。

************

次回は写真を交えてののレポート

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2011年4月14日(木) 20:51

復興

改めて東日本大震災で犠牲になられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

大震災の今の日本に与えた影響の深刻さは日々深まっていく気がします。

復旧、復興という言葉が報道の中でのキーワードになって来つつありますが、
未だ手付かずの瓦礫の山の映像と、遅々として進まない原発処理の現実を見ていると、家族も家も想い出も、何もかも流された被災者の方たちにとっては、まだまだ立ち上がろう!という気にはなれないんじゃないでしょうか。

最近は人に会うと必ず震災の話になりますよね。そしてその100%の方たちが皆さん口を揃えて、被災地のために何かしたい気持ちを持っておられます。

それも「しなければいけない・・」という感じで。

自分も含めて、そうした方たちのために、AERA(朝日新聞)4月10日号
に掲載されていた精神科医香山リカ氏の提言を読まれることをお勧めします。
自分の中では何かがストンと落ちた気がしました。

その一部だけ・・・
「・・・・・私たちが被災地のためにできる最も大事なことは、あえて『なにもしないこと』なんじゃないかと思います。不安定にならないで、それぞれの持ち場を守りながら生活を続けること。・・・みんなが一斉に立ち上がらなくても、余力をためておけば、もっと後に自分の力が必要になる時が来るかもしれない。何かを今すぐ形にしようと意気込んでも、長続きはしません。・・・」


とは言いながらも、国としてはビジョンを示さない訳にはいきませんよね。
政府が復興計画の青写真を描くため「復興構想会議」を設置しました。
個人的にファンであり、注目している3人の方がメンバーに入りました。

安藤忠雄氏、藻谷浩介氏玄田有史氏

今後の流れを追跡しようと思っています。

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2011年3月29日(火) 22:09

大丈夫U

長友のしぶといキレのあるクロス。

本田のパワー溢れる突破。

俊輔の正確無比なサイドチェンジ。

そして、カズダンス!

サッカー界から発信された気持ちの入った90分

個人的には昨日のブログ”大丈夫!”レベルは確実に上がりました。


それにしてもカズの持っているスター性、というか、華、というか、運というか、みたいなものは本当に凄いですね。

ドーハで負けたのも、フランスワールドカップ開幕直前帰されたのも、
今日のあのゴールのためにあったのかな、とさえ思ってしまいます。(極論ですが


もう一度言わせてください。日本は・・・大丈夫!

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